2012年3月号
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宇佐市6次産業シンポジウム
~6次産業化戦略の課題と展望~
 『第六次産業』という言葉がある。これは生産者が直接加工・流通にまで関っていく業態のことである。つまり、一次産業(生産)、二次産業(加工)、三次産業(流通)、合わせてもかけても六次産業という、大分県出身の東大名誉教授・今村奈良臣氏の提唱によるものであるが、現在では「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」により、農林水産省の戦略の一つとして積極的に進められている。日本の一次産業は、高齢化や後継者不足などから衰退が著しいことは以前から問題にされてきたが、有機的・総合的結合を図ることにより、オリジナル性のある商品開発・ブランド化・直販システムの確立などで底上げが期待できるとされる。
 さる三月二一日、リバーサイドホテル宇佐にて宇佐市と宇佐市六次産業創造推進協議会主催による「宇佐市6次産業シンポジウム~6次産業化戦略の課題と展望~」と題されたシンポジウムが開催された。同時に「ウサノチカラ創造塾」の受講者による開発商品の展示会を兼ねたものである。
 「ウサノチカラ創造塾」というのは平成二十二年に開塾された、宇佐市の六次産業化を引っ張るリーダー的人財を成育していくことを目的にしたものである。二年間の研修期間を経て、この日は卒業式でもあった。
 シンポジウムに先立ち、宇佐市で農園を営む五人の若き後継者で組織された青年農業実業家チーム「ドリームファーマーズプラス」代表・安部元昭さんによる特別事例発表が行われた。内容は昨年商品化に至ったという『宇佐産種あり干しぶどう』の経緯とマーケティング分析。彼らの、問題を一つひとつクリアしながらの商品開発には苦労というよりも、創造する喜びのようなものが伝わってきた。「種あり」だと、一般的にはなんだか面倒くさそうなイメージがあるものだが、マーケティングによってもやや高めに感じられる価格とともに妥協することなく、遂には時代のニーズともいえる自然食品というジャンルに活路を見出したあたりはまさにブレイクスルー。今年の躍進が期待できる。
 パネリストを中心として座席が円形に並べられた形でコーディネーター平田崇英氏(豊の国宇佐市塾・塾頭)によりシンポジウムは始まった。「ウサノチカラ創造塾」で作成された商品ギフトカタログのコンセプトや思いがプロのデザイナーであるゲストアドバイザー釘宮悠滋氏((有)ソフトファクトリー代表取締役)を交えて語られる。飲酒運転防止の観点から宇佐神宮の「お神酒」としてノンアルコールの「あま酒」を納めるという、時代に対する柔軟な対応や戦いの神様でもある宇佐神宮、前人未到の勝ち数を誇る双葉山などの「勝ち」のイメージによる新しい切り口で好評を博した「開運宇佐勝ちえび」など、宇佐といえばなんといっても「宇佐神宮」であり、そういった地域の資産を活かしながらのプロモーションは不可欠、またこれは観光産業とも密接に繋がることとなる。ブランド力の向上、販路拡大などが今後の課題となるが、「ウサノチカラ創造塾」の実践課程によりすでに成果が現れつつある。
パネリスト 安部祐二((有)百姓和樂・代表)・上野幸一((有)上野水産・専務)・江河真喜子(宇佐市観光協会・事業推進リーダー)・小松潤平(小松酒造場・代表)・宮田宗武(王さまのぶどう・代表)         敬称略
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