2012年3月号
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被災地のリアルを知ろう!
三陸鉄道社員体験講演会
命てんでんこプロジェクト実行委員会主催

 最悪レベルの原発事故をも引き起こしてしまった戦後最大の国難といえる東日本大震災の発生から一年が過ぎた。いまだ大きな傷跡を残したままの現地を視察した大分市議会議員である倉掛まさひろ氏の呼びかけにより、三陸鉄道株式会社の赤沼喜典氏を迎え、「被災地のリアルを知ろう!『命てんでんこ』から学ぶ家族の絆」と題された体験講演会が開催された。
 赤沼氏は三陸鉄道の社員で、高さ十メートル、長さ二・四キロメートルに及ぶ大きな堤防に守られた宮古市田老地区に暮らしていた。今回の大津波はその巨大堤防をも乗り越え、避難していた家族の目の前で自宅と多くの家々を飲み込み押し流していった。幸いにして家族は無事であったが、その理由のひとつにこの田老地区に伝わる「津波てんでんこ」という言い伝えがあるという。「津波てんでんこ」とは、『津波が来たら家族であろうとかまわずに、まず自分の身を守れ』という意である。このたびの震災は千年に一度といわれるが、田老地区はその特異な地形のため、この百十五年の間に三度の大津波を経験しており、その中から生まれた言い伝えなのだ。
 また緊急時の避難誘導、判断のあり方にも様々な問題が提起された。マニュアルを遵守して守られた命、または従ったが故に失った命。マニュアルから逸脱した現場状況判断で救われた命もまた少なくないのである。  震災直後、携帯電話は一週間繋がらなかったという。家族とは連絡がとれずに過ごす不安な日々。平常時に家族であらかじめ避難先などを話し合って決めておくというのも大事なことなのだ。
 不足する食料、日頃からの地域の助け合い精神で自然発生的に行われたおにぎりの炊き出し。これに県の保健所が水を差す。食中毒が出たら誰が責任を負うのかということである。通達に従う首長あり、頑として突っぱねる首長あり。混乱の中の現場判断に正解も不正解もない。
 膨大な瓦礫の山は一年が過ぎたにも関らず現在の撤去率は全体でわずか五パーセント。田老地区にいたってはわずか一パーセントに過ぎないのだという。これには原発事故による風評が影を落としているのは明白である。瓦礫の放射線量は人体に影響がないレベルだというが、絶対安全かというと確信に足るデータは存在しないのが現実である。ゆえに各自治体の協力が得られにくくなっているのも瓦礫処理がはかどらない原因のひとつである。
 被災から一年。三陸沿岸にはとてもテレビの画面では伝わらない光景がいまだに広がっているという。しかし、いつまでも打ちひしがれてはいられないということで、この現実を乗り越えるために人々は行動し始めている。『三陸・被災地フロントライン研修』は産業界、自治体、団体等の現地視察をサポートするプランである。被災地を見世物にするのかというジレンマも当初あった。が、この被災地のリアルを知ってもらうためには現地に赴いてもらうのが最善の策であると考えた。悲しみの段階はもう終わった。たとえ物見遊山でもかまわない。来ていただけると少なからず経済効果も見込める。伝えることの大事さを胸に、いまこの地はかつての強さを取り戻しつつある。

『被災地フロントライン研修』
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 去る二月二十六日、県地域防災計画再検討委員会の有識者会議で公表されたシミュレーションによると、別府湾を震源とした活断層で阪神大震災クラスの地震が発生した場合、日出町日出港への第一波到達時間三分、そしておよそ三十二分後最大四・六五メートルの津波を最大に、別府市弓ケ浜町への到達時間四分、二十九分後最大二・五九メートルの津波までが予想されている。
 周防灘の活断層の場合でも二メートル超え、南海トラフの活断層の場合豊後高田市、宇佐市沿岸部で三メートル超えの津波が到達するという結果である。最も甚大な被害が予想されるのが佐伯市米水津浦代浦の十一・一九メートルの大津波となっている。
 人間はわずか五十センチメートルの高さの波でも簡単に足をすくわれ流されてしまうことが実験で証明されている。地震の揺れを感じたら迷わず高台に避難することが必要であることを肝に命じておくべきである。
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